アトピー星人でもそれなりに生活を楽しんでます

30年以上アトピーと付き合いながら都内でOLやってる人のブログです

新薬デュピクセント®(デュピルマブ)はアトピーの救世主になるのか?

昨年から(一部で?)話題になっているアトピーの新薬「デュピクセント」

これまで治療効果がなかったアトピー患者への新しい治療薬として、昨年の冬に承認された薬です。

 

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※写真はイメージです。

 

 

 

デュピクセント(デュピルマブ)ってどんな薬?

これまでアトピーの治療と言えば、

ステロイドやプロトピックなどの塗り薬+抗ヒスタミン薬・ステロイド薬などの飲み薬

が、一般的でした。(私もそうだし、これを読んでいるアトピーのあなたもだと思います。)

 

塗り薬で、既にできた炎症を治す、新たな炎症反応(かゆみ)を抑える。

飲み薬で、かゆみが起こるのを抑える。

というイメージです。

 

それに対して新薬のデュピクセント(デュピルマブ)は、

・注射(皮下注射)

・かゆみのもとであるタンパク質の過剰な働きを阻害する

というお薬です。

 

詳しくはこちら↓

新規アトピー性皮膚炎治療薬「デュピクセント®皮下注300㎎シリンジ」製造販売承認取得について(クリックでpdfダウンロード)

 

注射は1回でいいの?

添付文書*1によれば、

  •  初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与
  • 1回300mgを2週間隔で皮下投与本剤による治療反応は、通常投与開始から16週までには得られる。16週までに治療反応が得られない場合は、投与中止を考慮すること。

 と記載があるので、およそ4か月ぐらい?でしょうか。

 

2週間に1回病院いくのは面倒だなぁ、と思いますがとある記事*2によれば、

承認から1年後には、専用の注射器で患者が自分で注射することが可能になる見込み。

 とことです。(ホントかな??)

 

誰でも受けられるの?

ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤(プロトピックとか)等の、塗り薬などで効果が得られない重症患者に対して行えるようです。

あと、別の視点として、飲み薬とかとは違うので、大きい病院ならともかくクリニックとかだと対応しているかどうかに差が出てきそうですよねぇ。

 

値段は?

飲み薬とかと同じなのか気になりますが、ある記事*3(またか)によれば、

気になるのはコストだ。デュピルマブは細胞を培養して作る「バイオ医薬品」の一種で高額になる見通し。例えば炎症性の皮膚疾患のバイオ医薬品では、薬剤費が月15万円かかる例もある。これと同等の薬価になるとみられており、患者の自己負担は月数万円になる見込みだ。日本皮膚科学会はコストや効果、副作用を考慮してデュピルマブを適正に使用するための提言をまとめる検討を始めた。

とのことですが、これ以降たぶん新しい価格は出ていないはず。

販売元のサノフィさん頑張って薬価下げて。(製薬会社は儲けたいので無理か。。。)

 

2018/04/26情報追加

4月18日に正式に薬価収載されたそうです。

(薬価収載とは、私たち患者が病院に行って実際に保険適用としてお薬を処方してもらえるようになった実際の日付とお考えください。たぶん厳密には違うけど似たようなもののハズ。)

 

<治療ができる医療機関の要件>

(1)アトピー性皮膚炎の病態、経過と予後、診断、治療(参考:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン)を熟知し、本剤についての十分な知識を有し、アトピー性皮膚炎の診断・治療に精通する医師(「初期研修後に5年以上の皮膚科診療の臨床研修を行っている」あるいは「初期研修後に6年以上の臨床経験を有し、うち3年以上アトピー性皮膚炎を含むアレルギー診療の臨床研修を行っている」)を、当該診療科の本剤に関する治療の責任者として配置している
(2)製薬企業等からの有効性・安全性等の薬学的情報の管理や、有害事象が発生した場合に適切な対応と報告業務等を速やかに行うなどの医薬品情報管理、活用の体制が整っている
(3)喘息等の合併する他のアレルギー性疾患を有する患者に本剤を投与する場合に、当該アレルギー性疾患の担当医と連携し、その疾患管理に関して指導・支援を受ける体制が整っている(本剤使用で喘息等が緩解する傾向があるが、投与中止により喘息が急性増悪することがある)
(4)アナフィラキシー等の副作用に対し、自施設または近隣医療機関の専門性を有する医師と連携し、診断や対応に関して指導・支援を受け、直ちに適切な処置ができる体制が整っている

 

<治療が受けられる患者の要件>

(1)アトピー性皮膚炎診療ガイドラインを参考にアトピー性皮膚炎の確定診断がなされている
(2)アトピー性皮膚炎診療ガイドライン推奨されるステロイド外用薬(ストロング以上)やカルシニューリン阻害外用薬による治療を6か月以上行っても十分な効果が得られず、体表面積に占めるアトピー性皮膚炎病変の割合が10%以上などの疾患活動性を有する成人アトピー性皮膚炎患者
(3)ステロイド外用薬やカルシニューリン阻害外用薬に対する過敏症、顕著な局所性副作用もしくは全身性副作用により、これらの抗炎症外用薬のみによる治療の継続が困難で、体表面積に占めるアトピー性皮膚炎病変の割合が10%以上などの疾患活動性を有する成人アトピー性皮膚炎患者

 

両方とも下記ページから引用しております。

www.medwatch.jp

基本的にはステロイド外用薬との併用治療のようですね。

 

まだまだアトピーってわかってないことが多い

この変更で、アトピーの診療ガイドラインアトピーの治療についてお医者さんたちがまとめているもの。たぶんお医者さん向け。)も変更になったりするかなぁ、と思って見直してたら、改めてまだまだアトピーってわかってないことが多いんだなぁ、と思いました。

 

ヒスタミン薬は実はアトピーに効くかわからないんだってさ

えー、アレグラとかビラノアとかめっちゃ飲んでるのにねー。

びっくりですよ。

アトピー性皮膚炎の瘙痒に対してヒスタミン H1 受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)が広く用いられているが,その効果は症例による差が大きい

一方で,抗ヒスタミン薬は,すべてのアトピー性皮膚炎患者の痒みに効果があるわけで
はない.どのような患者,あるいは,どのような皮疹に対して効果があるかは,今のところ不明である.

www.dermatol.or.jp

 ↑これは文末注釈ではなくここに記載しておきますね。

 

 

 

 

もっと研究が進んで良い薬が出ると良いよね。

あるいは、薬じゃなくても生活習慣でちゃんと「改善」できるっていうエビデンスが出ればいいけど、薬以外ではそういう研究って難しいかなぁ。

うさんくさいグッズ販売と、エビデンスが明確な薬以外での「治療」アプローチがちゃんと明確に分けられたら良いんですけどね。

 

 

とりあえずは、デュピクセントに期待!かな?

 

 

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